カンボジア放浪記 その4

つづき

博物館とアンコールワットを見学した。アンコールワットは巨大な堀に囲まれており、唯一渡ることのできる橋が工事中とのことで簡易的な橋がかけてある。イカダが繋がったような物なので非常に揺れる上、軽く降り始めた雨の影響でツルツルと滑った。アンコールワットで朝日を見るのが流行っているようだが非常に危険だと思う。

アンコールワットもまた大きく、橋を渡りきっても遠くに寺院がある程度でよく見えなかった。近づくと写真でも見たことのある風景が広がっており非常に感動した。当時の風景を再現したVRゴーグルかARかが貸し出されていた。当時は赤く、非常に美しかったらしい。

アンコールワットには顔のレリーフはなく、代わりにパイナップルなどを模した塔がいくつもある。またいくつかの塔には登ることもできるのだがその階段は非常に角度がキツイ。70度を超えており、高度もあるので自然と身体を階段に密着させようとしてしまう。当時の王様はこれが自分に対してへりくだっている(服従のポーズを取っている)ように見えるためここまでの傾斜の階段を作ったらしい。

ガイドさんが色々と話してくれる中で最も印象に残ったのは彼の出家が出来なかったというものである。遺跡を巡る間よくお坊さんの話をしてくれた。それは彼がお坊さんになるための学校に行っていたためとのこと。その学校を卒業するためには最後にえらいお坊さんに占いをしてもらう必要があるらしく、それには成績などは一切関係ないらしい。さすが占い大国カンボジアアンコールワットの中にもそれを生業とする人が何人もいた。彼は成績は良かったもののそこで落とされてしまい、結果ガイドをしているらしい。話も面白いしそれで良かったのでは、と思う。