カンボジア放浪記 その6

つづき

パブストリートはホテルからトゥクトゥクで10分程度のところにある。とりあえずホテルのロビーでそこへ行きたい、と伝えると1人だけ待機していたトゥクトゥクのオヤジを紹介してもらった。ヘルメットにROYALと書いてありおそらくホテル専属なのだろう、流暢な英語を操っていた。パブストリートに行きたい、というとニコニコしながらOK、と言ってきた。最初にお金の交渉をするものだと思ったが何も言われないので大丈夫か?と警戒したがとりあえず乗り込んだ。トゥクトゥクは馬車の馬がバイクになったようなもので走ると落ちるのではないかと思うほどだった。日が暮れても暑いカンボジアの街を走り抜けるのはとても気持ちが良かった。

すぐにパブストリートについた。とりあえずオヤジにいくら?と聞いたら往復なら3ドル、と言われたので最初に2ドル払い、10時半にまたここにきてくれ、と伝えた。パブストリートはピンクや黄色、紫などのギラギラとした照明で照らされていた。路上には白人や地元の人でいっぱいだった。道に隣接した店では演奏しているバンドマンもいた。非常にうるさかった。

ちょっとした柵があり、そこを超えた瞬間客引きに捕まる。日本だと一度断るとどこかへ行く客引きだがここでは非常にシツコイ。トゥクトゥクはどうか、酒がある、マッサージしていかないか、ブランドものの靴がある…etc。それらを全て断り続けブラブラと歩いているとまた柵がある。ただその先もストリートは続いているようなので先へ行こうとした。すると少し虚ろな目をしたオヤジに話しかけられた。

トゥクトゥクどう?」

またか、とすかさず断ったのだがそのオヤジは続けた。

「じゃあマリファナ

は?と一瞬フリーズしたもののそれも断った。もしイエス、と言ったらどうなったのだろう、と少し気になったものの異国の地での逮捕は避けなくてはならない。ちなみにこのオヤジの近くには警察官もいた。ただ明らかに仕事をする風ではなくぼんやりと人の流れを見ていた。少し気になったので友人とともにオヤジを見ていた。すると女の人がオヤジに近寄り、金を渡していた。現物を渡すところは見れなかったがあれはそういうことではないか。ちなみにパブストリートには大麻の葉の入ったピザを提供する店がある。そのためガイドブック等にピザに注意、と書いてあった。

さらに進んでいくとお姉さんたちがたくさんいるあたりに出た。と言ってもおそらくマッサージ店のようで店の中でせっせと足ツボを押したりしていた。この辺りから飲み屋はなくなってきていた。さらに進むと露出の多い女の人しかいないようなところに出た。あー、これは…と思っているとマッサージ、3ドルと言ったような客引きが来る。いくらやすいと言っても怪しい上、今回の旅行ではそういうことを目的としていないので断っていた。だいたいの客引きは20代、という感じだったが中には16くらいの女の子もいた。近寄ってきて誰に仕込まれたのか「チョットマッテチョットマッテオニイサン」と言ってくる。面白かったのでNO、と笑いながら言ったら通せんぼされた。友人は対応がめんどくさかったのか押し飛ばしていた。自分はとりあえずNo thank youとか言いながら前に進んだ。最初はマッサージ、マッサージと言っていた女の子たちもしびれを切らしたのか「ちんちんマッサージ」、と言ってきた。語感が面白かったため爆笑してしまった。そのあとNoというと怒ってどこかへ言ってしまった。