部活をやめた話 その4

つづき

 

2年生に無事進級すると新歓が始まった。この頃は学科に知り合いがほとんどおらず、授業もあまりなかったため、空きコマは新歓のためにボックス席、もしくは射撃場にいく、という生活をしていた。

新歓に力を注いでいたのは自分の役職を信頼して渡せる後輩を見つけたかったためだ。とても面倒くさい仕事なので、僕のようにサボろうとしない真面目な子に任せたい、と思っていた。

結局新歓が終わり新入部員が確定した時、任せてもいいかな、と感じていた人は3人いた。しかし、そのうち2人は上年目が飲み会で派手に暴れたり、あまり合わない、と感じたのか辞めてしまった。1人は他の部活の体験が楽しくて辞めた、とも聞いたけど。また、残り1人も夏休みに入る前くらいに部の行事が忙しかったようでやめてしまった。

そもそもライフル部の退部率はとても高い。僕やひとつ下の代は5割がやめてしまっている。

後輩がどんどんやめていくと、この部活はやっぱりおかしいのか?と考え始めた。入部当初は変な伝統(声出し、寮歌練習、マラソンetc...)に対して正直面倒くさい、馬鹿馬鹿しい、と感じていたが射撃のために一生懸命やってきた。その過程でこれが普通、と感じ始めていたのだろう。しかし客観的に見るとこれはどういう意図でしてるのかわからない。それにこれは愚痴になるが飲み会で大暴れして店に迷惑するのは正直嫌いだった。

退部を決定付けた出来事は2つある。

1つ目は製図の締め切りと応用数学のテストが重なり精神的にきつかった時に他部員に授業サボり報告を受けたこと。製図を切り上げて休憩がてら学食でカレーを1人で食べていると彼がやってきた。そして「今日自主全休にしたわ」的なことを言ってきた。この時本当に首を絞めてやろうかと思ったが、流石にまずいと思い、そっか、と絞り出したのを覚えている。2年生の時の製図の話もそのうち書きます。

2つ目は炎天下の中ホーマックから恵迪寮のあたりまで段ボールを運んだ時。暑いのはとても苦手で30度を超えると家から出たくないのだけど部の仕事だししょうがないから一番大きい段ボールを運んだ。4枚買って、と言われフラフラになりながら運んだのだが、そのあと足りないからもう1枚いる、と言われた。しかし、もう一度あの大変な思いをする必要はなく、大会の後車で買いに行く、とのこと。最初から車で行けよ。僕の苦労は何だったのか。

 

こんな思いをしたので退部を決意した。

 

だがもちろん部活に入っていて悪いことばかりではなかった。恋人を見つけられたり、銃を撃つ、という貴重な経験をしたり、過去問などをもらえたりした。もちろん、同年目と飲み会をしたりするのも楽しかった。あとは幹部会議の後、先輩に夕飯を奢ってもらえたりもした。(嫌な思い出に比べていい思い出が少ない気がする。)

射撃に関して言えば一番楽しかったのはビームライフルを先輩に教えてもらいながら撃っていた時だと思う。先輩から銃の扱い方を教えてもらって点数が伸びてきたら実弾を撃てる、というシステムだったのでたくさん教習を入れたのを覚えている。僕はだいたい同じ先輩に教習を入れてもらっていた。その人の話は面白かったし、教えてもらっているうちに点数がどんどん上がっていった。すごく良くしてもらった先輩だったのだが、追いコンがある(ずいぶん)前に辞めてしまったので、卒部おめでとうございます、と言えなかったのは後悔している。

後悔と言えば一年生の時に過去問や教科書をくれた先輩に辞める挨拶をしなかった。(後輩には)優しい人で気にかけてくれたし、僕の役職の前任者であった。僕とは比べ物にならないほど部のために活動しており、尊敬している。部を辞めることも当時しておられた役職から知っていたはずである。部を辞める当日、先輩から物を借りるために部屋に行った。(その日は遠征中で宿泊していた。)

部屋には先輩しかおらず、器具を貸してください、というと探してくれたのだがとても気まずかった。正直辞めること、役職を最後までやり遂げないことに対する謝罪、あとは今までの感謝を伝えようと思った。しかしできなかった。多分喋ったら泣いてしまったと思う。言えなくてごめんなさい。

 

結局自分で退部することを伝えたのは主将と恋人と同年目の1人か2人だけだった。(幹部ラインを退会する時には一応辞めます的なことを言ったと思う。)

 

部活を辞めたことに対する後悔は過去問が手に入りにくくなったこと以外に現在のところない。今は大学の授業とバイトだけでもかなり大変なのでむしろ良かった、とも思っている。実際辞めて成績かなり上がったし。

 

最後に、一緒に遊んでくれた同年目や教習やご飯に連れていってくれたり過去問やいろいろな情報をくれた先輩方、感謝しております。本当にありがとうございました。部活頑張ってください。

 

次は何を書こう。長々と文章書くくらいのことってあんまりないよね。やっぱり製図かなぁ。