カンボジア放浪記 その7

つづき

一通り見終わってトゥクトゥクのオヤジを待つ。約束は10時半なのに全く来ない。パブストリートの入り口で待っているとトゥクトゥクどう?、と客引きが寄ってくる。そもそもオヤジの顔もしっかり見たわけではないのでどれがそのオヤジなのかもわからずもしかしたら客引きに混ざったオヤジをあしらってしまったのではないか、不安になってきた。

10分ほど遅れてオヤジはやってきた。正直顔の区別はあまりできなかったがヘルメットのROYALの文字と流暢な英語でこの人だ!とわかった。

ホテルに帰る途中、明日はどうする?と聞かれた。営業なのだろう。とりあえずトンレサップ湖、そしてオールドマーケットに行きたい、と伝えた。色々話をして次の日の9時からそこへ連れて行ってもらうことになった。またお金の話はしなかった。

翌日、9時にホテル前にいくとたくさんのトゥクトゥクドライバーがいた。一斉にこちらに手を振ってくる。reservedとか言いながらオヤジを探すとニコニコとこちらに手を振っているのを見つけた。乗り込むとすぐにトンレサップ湖に向かって走り出した。

あまり舗装されていない道を進んでいく。パブストリートも通り過ぎる。夜はギラギラしていたが朝なので閑散としていた。通勤のバイクや車で道路はいっぱいで、バイクには2〜4人くらい乗っていた。

進んでいくとだんだんと砂埃が増えてきた。街中でもないことはなかったがひどくなっている。見るとトゥクトゥクに乗っている観光客は多くがマスクをつけている。事前に調べるべきだった。道も未舗装で乗り心地はかなり酷い。

正直飽きてきたなぁと思っていると建物の様子が少し変わってきた。今までは普通の家だったのが高床式のようなものになってきた。また蓮の実を売る人たちも出てきた。美味しいらしい。そろそろか、と思っているとバスが止まっている建物の前に着いた。ここでチケットを買い船に乗り換えるらしい。

ここで待ってるからーというトゥクトゥクのオヤジに船にはのらないよ、と僕たちは伝えた。